① 品質管理に関する責任
当監査法人の理事長は、「監査に関する品質管理基準」、「品質管理基準報告書」及び「RSM Quality Assurance and Risk Containment Policies (RSM QARC Policies)」に準拠し、当監査法人の品質管理システムに関する最終的な責任を負っており、理事長の指揮のもと、当監査法人の品質及びリスク管理に関する体制の整備及び運用上の責任を、品質管理担当責任者に割り当てています。
当監査法人は、「高い監査品質により、資本市場の発展に貢献する」を経営理念として掲げ、当監査法人の品質及びリスク管理に関する方針及び手続、職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守して業務を実施すること、及び状況に応じた適切な監査報告書を発行することについて、それぞれを強調する行動とメッセージを事務所内外に向け、明確に一貫して繰り返し発信していきます。
② 独立性保持のための方針の策定
当監査法人は、職業倫理の遵守及び独立性の保持に関する体制の整備及び運用上の責任を、倫理独立性担当責任者に割り当てています。
(職業倫理の遵守)
当監査法人は、RSMネットワークの一員として、RSM Ethics and Independence Policies(国際会計士連盟(International Federations of Accountants : IFAC)の国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants : IESBA)が公表する倫理規程に対応し、日本公認会計士協会の倫理規則で追加されている規定を追加したもの)を遵守して行動しています。RSM Ethics and Independence Policiesに基づき、当監査法人の全社員及び職員を対象として、入社時及び毎年7月1日の定期確認時に、職業倫理に関する方針及び手続を理解し遵守していることを確認するとともに、定期的に開催している研修会において、職業倫理に関するコンテンツを受講することとしています。
(独立性の保持)
当監査法人は、被監査会社に対する同時提供禁止義務等を定めているRSM Ethics and Independence Policiesのほか、公認会計士法等の我が国における職業倫理に関する規定を遵守しています。
また、当監査法人は、RSMが整備した全世界の被監査会社及びその関連事業体を登録したデータベース(RSM InTrust)をRSMネットワークで共有しており、独立性の保持が要求される被監査会社及びその関連事業体を適時に検索・照会し、被監査会社及びその関連事業体に対して禁止される非監査業務の同時提供を防止しています。このRSM InTrustの登録の網羅性及び正確性を保持するため、品質管理部においてモニタリングするとともに、RSM Internationalによるモニタリングも実施されています。当該モニタリングで問題又はその可能性が高いと判断される事象を識別した場合には、適時に是正することとしています。
倫理独立性担当責任者は、当監査法人、当監査法人と支配従属関係にある会計事務所等及びネットワーク・ファーム並びに当監査法人の専門要員が、職業倫理に関する規定に含まれる独立性の規定を遵守していることを確認するため、入社時及び毎年7月1日現在において独立性の保持のための方針及び手続の遵守による確認書として、倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」等を用いて独立性に対する阻害要因の有無を調査し、提出を求めることとしています。さらに、個別の監査業務において、監査責任者は、当監査法人の定める独立性の保持のための方針及び手続を遵守するとともに、監査チームのメンバーがこれを遵守していることを確かめ、監査調書に記録しています。
独立性の検討に際し相談事項が生じた場合には、倫理独立性担当責任者のもとで倫理独立性サポート課を設置しており、随時コンサルテーションを受けることができる体制となっています。個別の監査業務において、独立性に関する問題が生じた場合には、当該コンサルテーションの結果を監査調書に記録し、審査により承認を得ることとなっています。また、必要に応じてRSM Internationalの事務局と課題を共有し、協議し、解決する仕組みとなっています。
当監査法人は、監査業務の主要な担当者(監査責任者、審査担当者、監査業務の重要な事項について重要な決定や判断を行うその他の者)の長期間の関与に関して、公認会計士法等及び職業倫理に関する規定に含まれる独立性の規定を遵守するように、「担当者の長期間の関与に関する指針」において、大会社等及びそれ以外の監査業務における連続関与可能期間及び担当する役割に応じたクーリングオフ期間並びに状況に応じたセーフガード措置について詳細に定め、運用しています。また、倫理独立性サポート課によりローテーション表を整備、運用しており、毎月の社員会にて審議しており、当該指針の遵守を確認しています。
③ 監査契約の新規の締結及び更新
(契約の新規の締結)
当監査法人は、監査契約の新規締結審査に先立ち、「新規受嘱時の契約リスク評価に関する基本方針」に基づき、①倫理・独立性関係、②企業に関する情報及び③監査資源に関して一定の基準を設け、審査手続に進む前に、社員会において判断すべき重要事項がないことを確かめることとしています。次に、当監査法人、全社員及びネットワーク・ファームが独立性を保持していることを確かめます。
上記手続を経て、原則として上級審査会により、受嘱責任者及びその補助者が実施した契約リスクの評価(業務の性質と状況、企業及び経営者の姿勢及び不正リスク等の評価を含む。)に関して監査契約の新規締結審査を実施し、承認することとしています。
(監査契約の更新)
監査契約の更新に当たっては、当該監査業務の審査担当社員による承認を必要とすることとしており、一定の条件に照らし契約リスクが高い場合には、上級審査会による審査により承認することとしています。
④ 監査実施者の採用、教育・訓練、評価及び選任
(採用)
当監査法人は、専門要員の採用に関する責任を担当社員に割り当てており、当監査法人における予想成長率、離職率、昇進、退職及びその他の要因を予測した年間採用計画をもとに、当監査法人の品質管理システムの一部として、高品質の監査業務を遂行し、業務の実施又は責任の遂行のために必要な能力及びコンピテンシーを有した誠実な者を採用することとしています。
(教育・訓練)
当監査法人は、研修に関する責任を担当社員に割り当てており、RSMの研修と継続的な専門能力開発に関する方針のもと、当監査法人の毎年の研修計画を立案、実行しています。また、各専門要員がそれぞれの役職と業務におけるニーズに適したOJTを受けられるよう環境を整備しています。研修の履修結果は、品質管理部研修課が総合的に管理しており、継続的専門能力開発制度で必要とされる以上の単位数を取得していることを確認しています。
(評価)
当監査法人は、専門要員の能力の開発と維持及び職業倫理の遵守に正当な評価と報酬を与える方針と手続を策定し、運用しています。専門職員については、品質管理活動、知識、業務能力、コミュニケーション能力、ビジネススキル、勤務姿勢、及び組織活動等その他の評価項目に関し、定期的な人事考課を実施し、その結果に基づき昇格及び報酬を決定しています。社員については、品質管理活動に最も重点を置いて評価を行い、その結果を社員報酬に反映しています。
(監査実施者の選任)
業務執行社員の選任は、その業務を遂行するために必要な能力、権限及び十分な時間を有していることを確認の上、割り当てています。そのため、業務執行社員が、その責任を適切に果たすために十分な時間を確保できるよう、業務執行社員の業務量及び稼働率を監視するプロセスを整備し、運用しています。
補助者の選任に当たっては、当該業務において求められる専門的知識や経験といった能力の他、業務に従事する継続性及び当該職員の他の業務内容との兼務状況といった要素を考慮し、割り当てています。
⑤ 業務の実施及びその審査
(監査業務の実施及び適切な監査報告書の発行を合理的に確保するための方針及び手続)
当監査法人は、RSM Internationalの一員として、RSM Orb Global Audit Manualの要求事項を遵守し、監査業務を実施しています。このRSM Orb Global Audit Manualは国際監査基準の要求事項に準拠しています。当監査法人では、職業的専門家としての基準又は法令等の要求事項に従うために、RSM Orb Global Audit Manualを補足する目的で、別途、監査マニュアルを整備し、運用しています。また、当監査法人では、監査品質の維持及び向上を目的として、品質管理部監査業務サポート課において、監査マニュアルや監査調書様式を開発・改定し、使用しています。
(専門的な見解の問合せの方針及び手続)
当監査法人は、会計基準等の解釈に係る専門的な見解の問合せを担当する専門部署として品質管理部調査研究課を設置しており、RSM Orb Global Audit Manualでの解釈に係る問合せ先として同RSM Orb課、並びにその他の監査基準及び監査手続に関する専門的な助言・指導を行う相談窓口を設置し、各個別業務の支援を行っています。
(審査の方針及び手続)
当監査法人は、原則として、全ての監査業務について監査計画並びに監査意見の形成のための監査業務に係る審査を実施することとしています。なお、大会社等以外の監査業務で、監査報告の対象となる財務諸表の社会的な影響が小さく、かつ、監査報告書の利用者が限定されている監査業務のうち、幼稚園のみを設置している都道府県知事所轄学校法人の私立学校振興助成法に基づく監査、又は任意監査(公認会計士法第2条第1項業務のうち、法令で求められている業務を除く監査)である監査業務については審査を実施しないことができるものとしています。
なお、審査は、監査関与先ごとに選任された審査担当社員により実施しますが、重要な事項については、上級審査会による審査を受審しなければならないこととしています。また、審査担当社員についても、業務執行社員と同様に担当業務ローテーションの対象としており、「担当者の長期間の関与に関する指針」において連続関与可能期間及びクーリングオフ期間を定め、運用しています。
(監査上の判断の相違を解決するための方針及び手続)
当監査法人は、監査チーム内、監査チームと専門的な見解の問合せの助言者との間、又は、監査責任者と審査担当者との間の監査上の判断の相違がある場合には、上級審査会を開催し、上級審査会において解決を図ることとしています。なお、判断の相違が解決しないまま、監査報告書は発行できないこととしています。